告白

『告白』
という中島哲也監督の2010年の作品を観た。
この作品は第34回日本アカデミー賞を受賞している。
中島監督の作品の有名な作品はどれも人気であるが、今回の告白は興行収入38.5億円という大ヒット作品となった。
この映画のCMは凄く印象的で周りの友達たちも観たいと言っていたが、自分は結局映画館に観に行く事はなかった。


市立S中学の1-B組担任教師の森口悠子は生徒達が騒ぎ散らす教室の中で静かに自らが終業式を最後に学校の教師を辞める事を告げた。
変わらず騒ぐ生徒達をよそに森口は何故教師になったのか、何故シングルマザーなのか、数ヶ月前に自分の大切な幼い娘が学校のプールで死体として発見された事を話す。
この事件は警察には事故死と判断されたが、森口が調べた結果、娘は1-B組の生徒に殺害された事を教室で言い放ち、更に自分は犯人が誰であり何人で犯行を実行したかも知っているが、あえて警察が下した判断を覆すような事はしないと言う。
名前は伏せ、犯人の2人を少年A、Bと呼び生徒にわかるように事件の詳細を語り、少年法で守られた犯人達に対し恐ろしいかたちで復讐をすると告白をする。


中島監督の作品は他に「下妻物語」と「パコと魔法の絵本」を観ているが、告白もなかなか面白かった。
しかし中島監督の中では「下妻物語」が個人的に一番好きだったと思うし役の個性の強さなら「パコと魔法の絵本」を選ぶと思う。
告白の良さ、怖さは実際にやっていたら怖い事を感情の歪んだ登場人物が笑いながらやってのけるという事。
今時の若者なら「怖っ!」とか言いながらも楽しめる狂気ある作品になっている。
この作品をベタ褒めするつもりはない。確かに印象に残る凄い作品であったが、何か腑に落ちない感じも観終わった後に残ったからだ。
最初の教室のシーンの生徒の騒ぎようが異常だし、会話もなんか不自然。暗い雰囲気の映画だからか学園ドラマよりも不自然に感じてしまった。(あくまでこれは一個人としての感想)
少年Aの方の親が爆弾で死んだかどうかの描写があいまいで本当に死んだかどうかわからないとか、森口の娘が気絶していただけでプールに投げる前に意識を取り戻していたのを犯人は気づいていたのに投げた事とか
少年Aの親の描写ははっきり爆弾でぶっ飛んだ描写がされてるんですけど目の前で死んだわけじゃないからよくわからない。しかも中学2年生に体育館に集合した生徒達を皆殺しにするぐらいの破壊力があるか実際はわからない点、電話だとしても遠距離のリモコン操作がどこまで有効かという点、最大の疑問はいくら単純だったからといって遠隔操作機能のついている時限爆弾を素人がハサミで切って解除し、更にはまたつなぎ合わせて人の元に作品として手渡す事が出来るのかという点である。確かハサミで導線を切った描写ありましたよね。

でもこの作品嫌いじゃないんです。
ただ腑に落ちないだけで。
心の中ではいじめとか怖い事を考えてんのに笑いながら歌って踊ったりするシーンとか好きですね。
やっぱり中島哲也監督の作品は面白いなって思いましたし、また今度新作が完成したら観に行きたいと思います。
だけど「大ヒット作『告白』の監督の最新作!」みたいなPRするんだろうな。そしたら映画館には人がいっぱい押し寄せて公開から何週間か経ってもあんまり空かないんだろうな......
とか考えたりすると映画館に行けなくなってしまうからな...........
予告編を見て「怖いけど面白そう」って思った人にはオススメです。
多分映画の感じもそんな感じだし、そう感じた大体の人がこの映画を楽しめると思う。
ただシュールに怖い映画なのでそういうのが嫌いな人にはあんまりかと思います。
では、また今度。