ダンサー・イン・ザ・ダーク(Dancer in the Dark)

ダンサー・イン・ザ・ダーク』(Dancer in the Dark)
というラース・フォン・トリアー監督の2000年の作品を観た。
この監督の作品は初めてで、アンチクライストやまだ日本では公開していないメランコリア(第64回カンヌ国際映画祭キルスティン・ダンストが女優賞を受賞)など今後見たい作品があるためこの作品に手を出した。
この監督達が行っているドグマ95という映画運動の1つに「カメラは手持ち」というルールがあり、本作もメインカメラは手持ちになっている。
第53回のカンヌ国際映画祭ではパルム・ドールと主演のビョークが女優賞を受賞するなど評価も高いらしいが、イギリスの雑誌が選んだ「落ち込む映画」のベスト10にも入っている。

ミュージカルが好きなチェコからの移民セルマ(ビョーク)はアメリカに息子と2人で暮らしている。
昼は工場で働き、夜は芝居の稽古などで忙しいセルマ。そんな彼女は遺伝の関係によりあまり目が良くなく、今年中には失明するという。その遺伝をセルマの息子も引き継いでいて、彼はまだ知らないがいつかは失明するという。そんな息子のために周囲には故郷の父親にお金を送っているという嘘をつき息子の手術代を貯めるセルマ。
内職などもこなし仕事を増やすが徐々に失明へと近づいていく。失明した中で芝居に限界を感じ主役を諦め仕事を増やそうとするセルマだが、失明を隠していたことで工場の機械を壊しクビになってしまう。
そこから次第に物語は暗い方向へと進んでいく。

悲しくて泣きました。なんか気持ちが全然晴れなくて。
ビョークの演技はすごく良かったと思います。なんか普通にいそうなおばさんみたいで。
映画の中でかかるミュージカルの2曲目(橋の上の列車で歌う曲)の歌詞がとても切なくて報われないなって思いました。映画としては結構好きでタイトルも気に入ってます。
セルマの優しい友人役で先日観た8人の女たちにも出演していたカトリーヌ・ドヌーヴも出てました。
報われないけど良い映画だった事に間違いはないと思います。自分は好きです。