ウディ・アレンの重罪と軽罪(Crimes and Misdemeanors)

ウディ・アレンの重罪と軽罪』(Crimes and Misdemeanors)
というウディ・アレン監督の1989年のアメリカ映画を観た。
ウディ・アレンの映画は観とかないとって事でこれを観たんですけど、本当はこれじゃなくて「ブロードウェイと銃弾」という映画を観ようと思ってレンタルビデオ屋にいったら不幸にも取り扱ってなくて、それでこっちにしました。
内容と感想は別としてタイトルはあまり好きじゃない。「重罪と軽罪」でいいのに「ウディ・アレンの」は余計なんじゃないか。
自分はあまりタイトルに監督名だったり主演の人の名前が入っているのが好きじゃない。
ネームバリューで売り出す事はあまり映画的に良い事だとは思わない。もちろんネームバリューをうまく利用する事で日本での宣伝やヒットに繋がるのかもしれないが、やはり外国映画が日本に入ってくる際に必要な事は適切な邦題をつける、あるいは原題のままにしておく事だと思う。
前に記事でも書いた「痛いほど君が好きなのに」はまさに適切な邦題である。
そうじゃないと日本語を話せる外国人と話すときにその人の国の映画の話題になっても原題がわからなくて話が発展しないなんて事もある。過去に1度だけそういうことがありました。


夫婦円満な眼科医のジュダ(マーティン・ランドー)は幸せに暮らしていたが、ある日、2年前から関係を持ってしまった不倫相手のドローレス(アンジェリカ・ヒューストン)からの手紙が家に届いてしまう。
なんとか妻に見られずに処分したのだったが手紙の内容は妻へ宛てるものであって離婚を迫るものであった。
幸せな家庭を壊したくないジュダはドローレスの強引な行動に危機感を感じていく。
一方、売れない記録映画監督のクリフォード(ウディ・アレン)は自分の映画の制作費を稼ぐために嫌々ながら妻の兄で売れっ子TVプロデューサーのレスター(アラン・アルダ)のドキュメンタリー映像を撮る事になった。
クリフはレスターのドキュメンタリーを撮っている内に製作助手のハリー(ミア・ファロー)と映像の話で意気投合し、ハリーを好きになってしまう。
ハリーの心を射止めたいクリフだがレスターの邪魔なども入りうまくいかず、前々から冷めきった状態であった妻との関係もどんどん悪くなるばかり。
眼科医のジュダはというと日に日に悪化するドローレスの行動に耐えきれず、ついにギャングと関係を持つ弟のジャックに相談をする。
するとジャックはドローレスを始末しようと提案をするのだが......


正直に、面白かったです。
こういう作品をなんていう風に評価すれば良いのかイマイチ良くわからないですが、この作品はすごく良かったです。さすがウディ・アレンといった感じです。
こういう作品を観るともっとウディ・アレンの映画を観てこれより面白い映画を見つけようって気になりますね。
監督、脚本、主演をこなすだけあってやはり演技も巧いですし演じたクリフォード・スタンという役柄もウディ・アレンにぴったりで。それは当たり前なのかもしれないですけどやっぱり監督、脚本のウディ・アレンでないとこなせなかった役柄だったのでしょう。ウディ・アレンが良い感じにピエロなんですよね、もうホントに。
クリフの姪っ子役を演じていた少女も良かったですね。将来自分が家族を持ったら子供といっぱい映画に行きたいと思いましたよ。

あとはクリフとハリーがクリフの仕事場みたいな場所でインド料理屋の出前を頼んで一緒に「雨に歌えば」を観るシーンがあるんだけど、そこの
「食べて見るのは最高ね」
「これに限る」
っていう会話が地味だけど凄く共感出来たというか、自分もそのタイプだなって思った。
満足しました。