8人の女たち(Huit Femmes)

8人の女たち』(Huit Femmes)
というフランス映画を観た。
フランソワ・オゾンの2002年の作品で、映画というよりも舞台演劇に近いものだった。
というのも原作が舞台劇らしくこの作品も要所要所に歌が入りミュージカル風になっていた。

雪の降るクリスマスに郊外の屋敷が舞台となる。
その屋敷に集まる家族や使用人などの8人の女たち。そこで起きた屋敷の主人の殺人事件。
主の部屋で背中を刺されている死体を発見したメイド、それを確認して部屋の鍵を閉め、現場の保管をする推理小説好きの主の次女。
外部からの侵入形跡はなく8人の女たち全員が容疑者となる。
何者かによる電話線の切断と大雪により外に出られなくなり外部とのコンタクトを完全に遮断されてしまう。
そして犯人を探していく内にあきらかになる8人の女たちと屋敷の主人との隠された出来事。

最初は始まり方が全然映画っぽくなく「通販番組が始まったのか?」という映像だったためかなり戸惑ってしまった。あまりこの映画は映画といえる映像ではなく、舞台劇なんだと思いながら観ていた。
殺人事件の話だが、あまりシリアスではなく「この状況でふざけた歌を歌ってんな〜」って感じで結構楽観的に観れた作品で良かった。歌は8人にそれぞれ1曲あるのだが、みんなノリノリになって他の人の歌にダンスやコーラスなどで参加してるからなんか自然に「何やってんだよ」って感じで笑っちゃう。
それに主を取り巻く8人の女たちの関係やら性格やらやってることがそれぞれ昼ドラチックでドロドロし過ぎなんだけど本当にバカみたいな8人だなって思えて重くない。
全員が容疑者になってからメイドがまるで使用人ではないかの様に態度がでかくなったり、ダサかった叔母さんが何かに触発されて殺人事件が起こってんのに「なんとなく美しくなりたくて」とか言ってみんながびっくりするぐらい急にオシャレしだしたり、みんな状況わかってんのか?って感じでした。

次女役のリュディヴィーヌ・サニエとメイド役のエマニュエル・べアールがかわいかったです。
作品としてはまあまあ面白かったという感じで映画としては結構観づらい感じだったのであんまりオススメできる「映画」ではないかなと。映画としてみる気じゃなく海外のホームドラマとか観る感じで観るといいかもです。
本当に海外ドラマの「フルハウス」みたいな映像なんで。